バドミントンを始めたばかりの初心者は、「何から練習すれば上手くなるのだろう」と迷いやすいですが、最初からスマッシュや難しいショットばかり練習する必要はありません。
まずはラケットを正しく扱い、シャトルを安定して打ち、打った後に次の位置へ戻れるようになることが、その後のショットや試合につながる重要な土台になります。

初心者の練習では、一度に多くの技術を覚えようとするよりも、「構える」「当てる」「動く」「基本ショットを打つ」という動作を順番に身につける方が、自分がどこでつまずいているのかも分かりやすくなります。
この記事では、バドミントン初心者が最初に取り組みたい基礎練習を、実際に練習できる順番に沿って紹介します。

バドミントン初心者は何から練習すればいい?

初心者が最初に優先したいのは、強いショットを打つことではなく、ラケットとシャトルを自分の思った位置で扱えるようになることです。
どれだけ力強くラケットを振っても、グリップや構え、打点が安定していなければシャトルに当たらなかったり、狙った方向へ飛ばなかったりするため、最初は基本動作を整えることから始めます。

練習する順番に絶対的な決まりがあるわけではありませんが、初心者なら次の流れで進めると、それぞれの技術をつなげながら覚えやすくなります。

  1. ラケットの握り方を覚える
  2. 基本の構えを覚える
  3. シャトルをラケットに当てる
  4. フォアハンドとバックハンドを練習する
  5. フットワークを覚える
  6. 基本ショットを打つ
  7. サーブを練習する
  8. 短いラリーを続ける

特に初心者のうちは、「全部できるようになってから次へ進む」と考える必要はなく、ある程度感覚をつかんだら次の練習も組み合わせていきましょう。
基本そのものを先に整理したい人は、初心者が最初に覚えたいポイントをまとめた記事から確認すると、今回の練習メニューも理解しやすくなります。

→ バドミントン初心者が最初に覚えるべき7つの基本

練習1|ラケットの握り方を覚える

最初の練習は、シャトルを打つことではなく、ラケットを無理なく操作できる握り方を覚えることです。
最初からグリップを強く握り込んでしまうと、ラケットを細かく動かしにくくなり、フォアハンドとバックハンドの切り替えにも時間がかかりやすくなります。

ラケットを持ったら、まずは力を入れすぎずに構え、フォアハンド側とバックハンド側へラケット面を動かしてみてください。
実際にシャトルを打つ前に、握り方を変えながらラケット面を自由に動かせる感覚を作っておくと、その後の練習へ入りやすくなります。

最初はラケットを持ち替える練習をする

初心者は、フォアハンドとバックハンドを別々の技術として覚えるだけでなく、その間でグリップを自然に切り替えられるように練習することも大切です。
ラケットを胸の前あたりに構え、フォア側とバック側へ面を交互に向けながら、指を使ってグリップを軽く回す動きを繰り返してみましょう。

この練習では速く動かす必要はなく、ラケットを強く握りっぱなしにしないことを意識するだけでも十分です。
握り方そのものが分からない場合は、先にグリップの基本を確認してから練習すると、間違った握り方を繰り返しにくくなります。

→ バドミントンラケットの正しい握り方|基本グリップを解説

練習2|基本の構えを身につける

ラケットを持てるようになったら、次はシャトルが飛んでくる前の構え方を練習します。
初心者はシャトルが来るまでラケットを下げてしまうことがありますが、その状態から毎回ラケットを持ち上げると、速いシャトルへの対応が遅れやすくなります。

基本的には、膝を軽く曲げて動き出せる姿勢を作り、ラケットを身体の前で構えて次のショットに備えます。
足を完全に止めた状態ではなく、前後左右のどこへでも最初の一歩を出せる状態を作ることを意識すると、実際のラリーにもつながりやすくなります。

構えから一歩動いて元に戻る

構えを覚えるときは、その場で姿勢を作るだけではなく、一歩動いて元の位置へ戻る練習までセットにすると実戦的です。
右、左、前、後ろへ一歩ずつ動き、そのたびに元の構えへ戻ることで、「打つ前の準備」と「打った後の準備」を一緒に覚えられます。

初心者のうちは移動速度を上げるより、身体のバランスを崩さずに次の動作へ移れることを優先してください。
正しい構えを詳しく確認したい場合は、レディポジションについて先に理解しておくと練習しやすくなります。

→ バドミントンの構え方|基本のレディポジションを解説

練習3|シャトルをラケットに当てる

初心者が早い段階で取り組みたいのが、シャトルをラケット面の中央付近でとらえる練習です。
最初からコートの奥まで飛ばそうとして強く振ると、スイングが大きくなりすぎて打点がずれやすいため、まずは小さな動きで確実に当てることを優先します。

シャトルを真上に打ち上げる

一人でもできる基本練習として、ラケットでシャトルを軽く真上へ打ち上げる方法があります。
高く飛ばすことよりも、自分の身体から大きく離れない位置へシャトルを上げ続けることを意識すると、ラケット面の向きや力加減を覚えやすくなります。

最初は1回当てるだけでも問題なく、慣れてきたら2回、3回と連続して打つ回数を増やしてみてください。
安定して続かない場合も回数だけを追わず、「ラケットのどこに当たったのか」「シャトルがどちらへ飛んだのか」を確認することが上達につながります。

近い距離から相手と打ち合う

練習相手がいる場合は、ネットを挟まずに近い距離からシャトルを軽く打ち合う方法も初心者には効果的です。
相手が取りやすい位置へ返すことを目標にすると、強く打つ練習ではなく、ラケット面とシャトルをコントロールする練習になります。

何度練習しても空振りが多い場合は、単純に練習量が足りないと決めつけるのではなく、シャトルとの距離や打点、ラケット面などを確認する必要があります。
シャトルに当たらない原因については別の記事で詳しく整理しています。

→ バドミントン初心者がシャトルに当たらない原因と改善方法

練習4|フォアハンドとバックハンドを覚える

シャトルに当たるようになってきたら、フォアハンド側だけでなくバックハンド側でも打つ練習を始めます。
実際のラリーでは毎回自分の得意な側へシャトルが来るわけではないため、左右どちらに来ても最低限ラケットを出せる状態を作ることが必要です。

初心者は、バックハンド側へ来たシャトルまで無理にフォアハンドで回り込もうとすることがありますが、すべてをフォア側で処理しようとすると準備が遅れる場面も増えてきます。
最初の段階からフォアとバックの両方を使い、「どちらで打つ方が自然なのか」を判断する感覚を少しずつ身につけましょう。

交互に打つ練習をする

相手に左右へゆっくりシャトルを出してもらい、フォアハンドとバックハンドを交互に使って返すと、グリップの切り替えまで含めて練習できます。
最初は広い範囲へ動かす必要はなく、身体の近くへ出してもらいながら、正しい面で返せるかを確認する程度から始めてください。

フォームがまだ安定しない場合は、ショットごとの細かな技術へ進む前に、身体とラケットをどう使うのかという基本動作を整理しておく方法もあります。
基本フォーム全体を確認したい人は、こちらの記事も参考にしてください。

→ バドミントンの基本フォーム完全ガイド|正しい打ち方の土台を解説

練習5|フットワークでシャトルの位置まで動く

ある程度シャトルを打てるようになると、次に大きな課題になるのが「シャトルが来る位置まで移動して打つこと」です。
止まった状態なら打てても、実際のラリーでは前後左右へ動いてから打つ必要があるため、ラケット技術だけでなくフットワークも早い段階から練習しておきます。

初心者のフットワークでは、最初からコート全面を全力で動く必要はなく、ホームポジションから一方向へ移動して戻る練習から始めれば十分です。
「移動して終わり」ではなく、シャトルを打つ位置まで動いたら元の位置へ戻るところまでを一つの動作として覚えることが重要です。

前後左右へ動いて中央へ戻る

まずはコート中央付近から前、後ろ、右、左へ順番に移動し、それぞれの位置でラケットを振ってから中央へ戻る練習をしてみましょう。
実際にシャトルを使わなくても、打つ位置まで足を運び、スイングし、戻る動作を繰り返すことで基本的な移動の流れを覚えられます。

慣れてきたら移動方向をランダムにしたり、コートの四隅まで範囲を広げたりして、少しずつ実戦に近づけていきます。
フットワークを詳しく練習したい人は、動き方を体系的にまとめた記事から進めると理解しやすくなります。

→ バドミントンのフットワーク完全ガイド|基本の動き方と練習方法

練習6|基本ショットを一つずつ覚える

グリップ、構え、打点、フットワークの基礎が分かってきたら、クリア、ドロップ、ヘアピン、ドライブ、スマッシュなどの基本ショットへ進みます。
ただし、初心者の段階ですべてのショットを同じレベルまで完成させる必要はなく、まずはラリーを続けるために使いやすいショットから練習するのがおすすめです。

まずはクリアで奥へ返す感覚を覚える

初心者が早い段階で覚えたいショットの一つが、相手コートの奥へシャトルを返すクリアです。
クリアを安定して打てるようになると、自分が苦しい場面でも相手を後ろへ動かしながらラリーを立て直しやすくなるため、試合でも使う機会が多くなります。

最初からベースライン付近まで飛ばすことだけを目標にすると、必要以上に腕へ力が入りやすいため、まずは正しい打点でシャトルをとらえることを優先してください。
フォームが安定してきたら、少しずつ距離を伸ばしていけば十分です。

次にドロップやヘアピンへ広げる

奥へ飛ばすショットだけでなく、ネット付近へ落とすショットも覚えると、コートの前後を使ったラリーができるようになります。
クリアとドロップを打ち分けられるようになるだけでも、相手を後ろへ下げたり前へ動かしたりできるため、バドミントンらしい配球を理解しやすくなります。

どのショットから覚えればよいか迷った場合は、まず基本ショットの種類と役割を整理してから、一つずつ個別の打ち方を練習していきましょう。

→ バドミントンの基本ショット一覧|初心者が覚えたい打ち方を解説

練習7|サーブを安定して入れる

試合をするためには、ラリー中のショットだけでなくサーブも必要になるため、初心者の段階から安定して入れられるように練習しておきましょう。
サーブでは強く打つことより、決められたサービスコートへ毎回できるだけ同じ動作で入れられることの方が重要です。

最初はサービスライン付近から同じ場所を狙って繰り返し打ち、入る割合が増えてきたらコースや高さも少しずつ意識していきます。
一球ごとにフォームを大きく変えるのではなく、構え、シャトルを持つ位置、ラケットを出す位置をできるだけ一定にすると再現性を高めやすくなります。

サーブには種類やルールもあるため、打ち方を本格的に練習するときはサーブ全体をまとめた記事から確認してください。

→ バドミントンのサーブ完全ガイド|種類・打ち方・コツを解説

練習8|最後は短いラリーを続ける

個別の基礎練習をしたら、最後は相手と実際にシャトルを打ち合い、覚えた動作をラリーの中で使ってみましょう。
初心者同士ではすぐにラリーが終わることもありますが、最初から勝負するのではなく、お互いが返しやすい場所へ打って回数を続けることを目標にすると練習になります。

たとえば最初は「5回続ける」、できたら「10回続ける」というように目標を設定すると、強く打つことよりコントロールすることへ意識を向けやすくなります。
ラリーが続くようになったら、クリアだけ、ドロップを入れる、前後へ動かすなど条件を少しずつ追加すると、実戦につながる練習へ発展させられます。

初心者向け30分の練習メニュー例

一人で練習する場合や、練習時間が短い場合でも、内容を絞れば30分程度で基本動作を確認できます。
大切なのは一つの練習を長時間続けることではなく、自分の課題に合わせて基礎動作を繰り返し、前回より少し安定させることです。

  • 5分:グリップと構えの確認
  • 5分:シャトルをラケットに当てる練習
  • 5分:フォア・バックの素振り
  • 5分:フットワーク
  • 5分:基本ショット
  • 5分:サーブまたはラリー

30分ですべてを完璧にする必要はなく、シャトルにうまく当たらない日は当てる練習を長めにするなど、その日の課題によって配分を変えて構いません。
練習時間が限られているほど、多くのメニューをこなすことより、「今日は何を改善するか」を一つ決めて取り組む方が変化を確認しやすくなります。

初心者がやりがちな練習の失敗

初心者の練習でよくあるのが、シャトルを強く飛ばすことばかり意識し、基本動作が安定しないまま難しいショットへ進んでしまうことです。
スマッシュが打てると上達したように感じやすい一方で、試合では構え、移動、クリア、サーブなど多くの基本技術を繰り返し使うため、特定のショットだけではラリーを安定させにくくなります。

また、毎回違う練習をしていると、自分が以前よりできるようになったのかを判断しにくくなるため、同じ基礎練習を一定期間繰り返すことも必要です。
初心者が陥りやすい失敗を先に知っておきたい人は、こちらの記事も確認してみてください。

→ バドミントン初心者によくある失敗10選と直し方

一人で練習するときは何をすればいい?

練習相手がいない日でも、グリップの切り替え、素振り、シャトルを真上へ打つ練習、フットワーク、サーブなど、一人で取り組める基礎練習はあります。
特に初心者は、相手がいない時間を使ってフォームや足の動きを確認しておくと、実際に相手と打てる時間をラリーやショット練習に使いやすくなります。

ただし、一人だけでは自分のフォームの癖や打球の問題に気づきにくいこともあるため、可能であれば経験者に見てもらったり、自分の動きを動画で確認したりする方法もあります。
独学を中心に進めたい場合は、練習の順番や注意点を別の記事で詳しく解説しています。

→ バドミントンを独学で始める方法|初心者向け練習の進め方

初心者は毎日練習した方が上手くなる?

バドミントンは練習量だけで上達が決まるわけではないため、初心者が必ず毎日練習しなければならないわけではありません。
練習する回数だけでなく、一回ごとに基本動作を確認し、うまくいかなかった原因を次の練習で改善していくことが重要です。

特に始めたばかりの時期は、疲れてフォームが崩れた状態で長時間続けるより、集中して基礎を確認できる時間を作る方が練習内容を整理しやすくなります。
週に何回くらい練習すればよいのか迷っている人は、生活スタイルや目標別の考え方をこちらで解説しています。

→ バドミントン初心者は週何回練習すれば上達する?

バドミントン初心者の練習メニューまとめ

バドミントン初心者は、最初から難しいショットを増やすより、グリップ、構え、シャトルに当てる感覚、フォア・バック、フットワーク、基本ショット、サーブという順番で土台を作ることが大切です。
それぞれを単独で練習した後に短いラリーへつなげることで、「練習ではできるけれど実際に打ち合うとできない」という状態も少しずつ減らしていけます。

また、練習メニューを増やすこと自体を目的にせず、その日の課題を一つ決めて反復し、前回より安定したかを確認しながら進めてください。
基本が身についてきたら、ショットやフットワークなど自分が苦手な分野へ練習時間を増やし、少しずつ実戦に近い内容へ進めていきましょう。

初心者向けの始め方から道具、基本技術、練習までを一度整理したい場合は、初心者向けの総合ガイドから必要な記事へ進めます。

→ バドミントン初心者完全ガイド|始め方・道具・練習・打ち方を解説

さらに、初心者の段階を抜けた後も含めて「次に何を練習すればいいのか」を順番に確認したい人は、上達ロードマップへ進んでください。

→ バドミントンが上手くなるまでのロードマップ|初心者から試合で勝つまで