バドミントンのドライブは、ネット付近の高さを保ちながら、相手コートへ速く直線的に返すショットです。
スマッシュのように上から強く打ち下ろすのではなく、コート中間で体の横から前方に来たシャトルを短い動作で捉えます。

特にダブルスではドライブの応酬が多く、ラケットを大きく引いたり打球後に下げたりすると、次の返球へ間に合いません。
速さだけを求めず、打点を体の前に保ち、低い軌道と素早い構え直しをそろえることが重要です。

この記事では、ドライブの意味と軌道、フォアハンドとバックハンドの打ち方、使う場面、避けたい場面を初心者向けに解説します。
プッシュとの違いや多い失敗も扱うため、試合中の選択まで一つの流れで確認してください。

バドミントンのドライブとは低く速く返すショット

ドライブとは、主にコート中間で腰から肩付近の高さに来たシャトルを、ネットと平行に近い低い軌道で速く返すショットです。
相手へ準備時間を与えず、体勢を崩した返球や高く浮いた球を引き出す目的で使います。

床と完全に平行な一本の線を狙うわけではなく、自分の打点からネットを越え、相手コートへ沈む範囲で軌道を調整します。
ネットより低い打点から無理に水平へ打つとネットミスになるため、現在の高さに応じた余裕が必要です。

項目 ドライブの特徴
主に打つ位置 コート中間、体の横から前方
主な打点 腰から肩付近で、体より前方
軌道 ネット付近を低く直線的に進む
スイング 大きく引かず、前腕と指で短く打つ
主な目的 相手の時間を奪い、甘い返球を引き出す
多い場面 ダブルスの中間、サーブ後、レシーブ後、守備からの反撃

ドライブは一球で決める技術というより、速い交換の中で相手の打点を遅らせ、次の攻撃機会を作る技術です。
自分の球が返ってくる前提で、打球後まで含めてフォームを覚えてください。

ドライブを含む基本ショット全体の位置付けは、バドミントンの基本ショット一覧で、プッシュ・ヘアピン・ロブと比較できます。
ここからはドライブの基本動作を、準備から打球後の構え直しまで順番に説明します。

ドライブの打ち方は6つの手順で覚える

ドライブは、構え、シャトルの予測、握り替え、前方の打点、短いインパクト、構え直しという六つの手順で打ちます。
腕を速く振る前に、相手の打球へ間に合う準備と、ラケットを戻す動作を整えましょう。

手順 動作 確認するポイント
1 両足を開きラケットを体の前へ上げる 左右どちらにも動ける姿勢を作る
2 相手のインパクトから方向と高さを読む 打たれてからラケットを上げない
3 フォアまたはバックの握りへ替える 強く握ったまま持ち替えない
4 シャトルの後ろへ面を入れる 体の横より前方に打点を取る
5 前腕と指で短く前へ弾く 肩から大きく振り回さない
6 ラケットを体の前へ戻す 次の球を待つ位置までを一回とする

六つの動作はラリー中に区切って行うものではなく、相手のインパクトから次の構えまでを一続きにします。
練習では速度を落とし、どの段階でラケットが遅れたり下がったりするかを確認してください。

ドライブを打つ前の構え方

ラケットを体の前へ上げて待つ

両足を肩幅より少し広く開き、膝を軽く曲げ、上体を起こしたままラケットを胸の前へ上げます。
ラケットヘッドを手首より高い位置へ置くと、フォアとバックの両側へ短い距離で面を動かせます。

ラケットを腰より下へ下げると、シャトルが来てから持ち上げる時間が必要になり、打点が体の横や後ろへ遅れます。
相手が打つ瞬間には構えを完成させ、シャトルが出た方向へ最初の一歩とラケットを同時に動かしてください。

重心を低くして左右へ動ける足幅を作る

足幅が狭く膝が伸びた状態では、体へ向かう速い球を避けられず、腕を詰まらせた打点になります。
左右へ一歩動ける足幅を取り、かかとへ体重を残さず、足の前方で床を捉えます。

相手のインパクトに合わせて小さく着地し、フォア側ならラケット側、バック側なら反対側へ体をずらします。
大きく跳ぶ必要はなく、体の正面から打点を外して腕を動かす空間を作ることが目的です。

フォアハンドとバックハンドのグリップを替える

フォアハンドドライブは基本のイースタングリップに近い握りを使い、親指と人差し指の間にV字ができる状態から面を合わせます。
バックハンド側では親指をグリップの広い面へ添え、前方へ押す力を伝えます。

速いラリーでは持ち手全体を回し直す時間がないため、構えでは指の間に余裕を残し、親指と人差し指を中心に小さく握り替えます。
手のひらで強く包み込むと握り替えの余裕がなくなり、面の変更と指の動きが遅れます。

親指の位置だけを固定してフォア側まで打つと面が外を向き、バック側で基本グリップのまま押すと力が伝わりません。
風船や手投げされたシャトルを使い、左右交互に面を作る練習から始めてください。

フォアハンドドライブの打ち方

肘を体から離して打点の後ろへ面を入れる

フォア側へ来たシャトルに対してラケット側の肘を体から少し離し、ラケット面をシャトルの後ろへ準備します。
肩を大きく後ろへ引かず、肘から先を動かせる範囲だけを確保してください。

打点が体へ近すぎる場合は腕を折り畳むしかなく、面が上を向いてドライブが浮きます。
ラケット側の足を小さく横へ出し、体とシャトルの間へ腕一本分ほどの空間を残しましょう。

前腕と指を使って短く前へ弾く

ラケット面を目標方向へ合わせ、前腕を内側へ回す動きと指の握りをつなげ、シャトルを短く前方へ弾きます。
肩から長く振り抜かず、接触後はラケットが体の正面を大きく越えない範囲で止めます。

手首だけを横へ曲げると面の向きが変わり、ストレートを狙ってもサイドへ外れます。
前腕の動きでラケットヘッドを走らせ、手首は面をぶらさず力を前方へ伝えられる位置で保ってください。

バックハンドドライブの打ち方

体の正面からバック側へ早く面を出す

バック側へ来たシャトルには親指をグリップへ添え、肘を体の前に置いたままラケット面を打点の後ろへ出します。
体の前を通る球にも対応できるため、ダブルスの速い交換ではバックハンドを使う場面が多くなります。

肘を脇へ付けたままではラケットを前へ動かせず、親指だけで強く押すフォームになります。
肘と体の間に空間を作り、シャトルの後ろで前腕を回せる位置へラケットを準備してください。

親指と指の握りで面を前へ戻す

接触前は軽く握り、前腕を外側へ回す動きと親指の押しを使って、ラケット面を目標方向へ戻しながらシャトルを弾きます。
親指を伸ばしたまま押し続けず、他の指も使ってグリップとラケット面を安定させます。

打球後にラケットをバック側へ残すと、次のフォア側へ間に合わないため、肘を曲げて胸の前へ戻してください。
一球の飛距離より、左右交互の返球でも同じ準備位置へ戻れることを優先します。

ドライブの正しい打点

ドライブの打点は、体の真横ではなく、視界の中でシャトルとラケット面を確認できる前方に取ります。
高さは腰から肩付近が目安ですが、ネットとの位置関係や飛んでくる軌道によって変わります。

高めの球は早い位置で触ると相手コートへ沈められますが、低い球を水平に打とうとするとネットへ届きません。
ネットより低い打点では少し上向きの軌道を取り、状況によってブロックやロブへ変更してください。

体の後ろまで待つと面を前へ戻せず、クロス方向へ流れたり高く浮いたりします。
相手のインパクトから方向を読み、シャトルへ近づきすぎない位置へ足を運んで、前方の打点を確保しましょう。

ドライブは大きく振らず指と前腕で打つ

速いドライブを打とうとして肩から大きく振ると、準備が相手に見え、接触位置が遅れ、次の返球にも間に合いません。
ラケットヘッドが動く距離を短くし、前腕の回転と接触付近の握りで速度を作ります。

構えから強く握り続けると、指を使う余地がなくなり、腕全体を振らなければ飛ばなくなります。
準備ではグリップと手のひらの間にわずかな余裕を残し、接触付近で握って面を安定させてください。

打球音だけを大きくしようとせず、低い軌道で相手の体付近まで届くかを確認します。
速さと低さを改善する詳しい方法は、ドライブを速く低く打つコツで原因別に確認できます。

ドライブで狙う4つのコース

ドライブのコースは、ストレート、クロス、相手の体付近、ダブルスのペアの間という四つが基本です。
サイドラインぎりぎりだけを狙わず、相手のラケットを動かしにくい場所と次の返球を予測できる場所を選びます。

狙うコース 効果 注意点
ストレート 移動距離と飛行距離が短く、速く返せる 同じコースを続けると待たれる
クロス 相手を横へ動かし、反対側へ空間を作る ネットを通る距離が長く横アウトも増える
体付近 フォアとバックの判断を遅らせる 相手の顔ではなく肩から腰付近を狙う
ペアの間 どちらが取るか迷わせる 相手の配置が離れた場面で使う

最初はストレートで打点と面を安定させ、十球中七球ほど低い軌道で入ってからクロスを加えます。
クロスだけを先に練習すると、手首で方向を変える動作が強くなり、基本の面が崩れます。

相手の体付近を狙う場合は、顔や頭へ向けて強く打つのではなく、肩から腰の範囲へ制御できる速度で送ります。
練習相手との距離が近いときは速度を落とし、コースを事前に伝えて安全を確保してください。

ドライブを使う場面

ダブルスで相手と速い球を交換するとき

ダブルスではコート中間でシャトルが体の横へ来たとき、ドライブで低く返すと、相手へ上から打つ時間を与えません。
相手のラケットが遅れた方向へ続け、浮いた返球を前衛のプッシュや後衛のスマッシュへつなげます。

速い交換の途中で無理に決めようとすると大振りになり、次の球が体へ戻ったときに対応できません。
低さを保てる速度で続け、相手の面が上を向いた球を攻撃の合図にしてください。

サーブレシーブ後に攻撃を続けるとき

ショートサーブをプッシュしたあと、中間へ返された球をドライブで押し返すと、相手を守備側に残したまま攻撃を続けられます。
打球後に前へ詰めすぎず、相手からの速い返球を体の前で触れられる距離を保ちます。

ロングサーブや高く上がった球には、ドライブへ限定せずスマッシュ、クリア、ドロップから選びます。
球種を先に決めるのではなく、頭上で触れるのか体の横で触れるのかを基準にしてください。

守備から相手の体付近へ押し返すとき

相手のスマッシュが腰から肩付近へ来て、体の前で捉えられる場合は、ドライブで相手の体付近へ押し返す反撃があります。
相手が次のスマッシュを準備する時間を減らし、前後の攻撃配置を崩すことが目的です。

角度のあるスマッシュを低い位置で触る場面では、ドライブを狙うとネットミスが増えるため、ブロックや高いロブで返します。
相手の打球へ反撃できる高さと、無理をせず守備を続ける高さを分けて判断してください。

シングルスで相手の空いた横方向へ送るとき

シングルスでも、相手の返球がコート中間へ低く来た場面では、ドライブで空いた横方向や奥へ速く送れます。
相手が中央へ戻る途中なら、進行方向と反対側へ打つことで体勢を崩せます。

ただし、自分もコート中央から大きく外れている場合は、速い返球によって戻る時間がなくなります。
体勢が崩れているときは高さを使って時間を作り、中央へ戻ってから次の攻撃を組み立てましょう。

ドライブを避けたい場面

ドライブは速い展開を作るため、自分の打点が低い場面、体の後ろへ遅れた場面、相手が前で待っている場面では不利になることがあります。
打てるかどうかではなく、低い軌道と次の準備を保てるかで選んでください。

避けたい場面 起こりやすい失敗 代わりの候補
ネットより大幅に低い打点 ネットへかかる、上向きに浮く ブロック、ロブ
シャトルが体の後ろへ来た場面 面を戻せず横へ外れる 高さを出して中央へ返す
相手が前でラケットを上げている場面 短い距離で捕まり押し込まれる 相手の頭上や体から離れたコース
自分の体勢が大きく崩れた場面 戻る前に速く返球される 高さを使って時間を作る

高い位置へ余裕を持って入れた球は、ドライブよりプッシュやスマッシュで下向きへ攻撃できる場合があります。
現在の打点から使えるショット全体を比較し、相手に最も低い位置で触らせる球を選びましょう。

ドライブとプッシュの違い

ドライブはコート中間で相手の速い球を水平に近い軌道で返し、ラリーの速度を維持する役割が中心です。
プッシュは前方から中間の高めの打点で甘い球を捉え、相手の足元や空いた場所へ短く沈めます。

横方向へ速く交換している球はドライブ、前方から上にある球を下へ押し込む動作はプッシュと考えると区別できます。
プッシュの詳しい打ち方は、バドミントンのプッシュとは何かで確認してください。

実戦では二つの境界が明確でない球もありますが、名称を決めることより、打点に合う軌道を選ぶことが重要です。
ネットより高く触れた球を水平に逃がさず、相手が低い位置で取る下向きの軌道へ変えましょう。

ドライブで多い失敗

失敗 主な原因 改善の方向
高く浮く 面が上向き、打点が体の後ろ 前方で捉えて面を目標へ向ける
ネットにかかる 打点が低い、下向きへ打ちすぎる 通過位置に余裕を持たせる
速く飛ばない 強く握り続ける、芯を外す 軽い握りから中央で捉える
次の球へ遅れる 大振り、ラケットを打点へ残す 短く打って胸の前へ戻す
左右へ外れる 手首だけで方向を変える 前腕と面を目標方向へ合わせる

高く浮く球とネットミスを交互に繰り返す場合は、力加減だけで高さを変えず、打点とラケット面から確認します。
一定の手投げを十球打ち、ネット上の通過位置と落下した方向を分けて記録してください。

速さを増やそうとしてフォームが大きくなる場合は、半分ほどの速度で五往復を続け、毎回ラケットを胸の前へ戻します。
低さ、速度、連続性のどこを直すか一つに絞ると、同じミスの反復を避けられます。

初心者向けドライブ練習の進め方

初心者は、シャトルを打たずにフォアとバックの握り替えを確認し、次に手投げされた球を体の前で短く捉えます。
一球ごとの面が安定してから、コート中間で相手とストレートのドライブを続けてください。

最初の目標は強い一球ではなく、ネット付近の高さで五往復を続け、打球後にラケットを毎回胸の前へ戻すことです。
五往復が安定したら左右交互の球出し、ストレートとクロスの選択、試合形式へ進みます。

回数、球出し、二人練習、一人で行う内容まで組みたい人は、バドミントンのドライブ練習方法も参考にしてください。
疲れてラケットが下がったら本数を増やさず、休憩後に構えの高さを戻しましょう。

ドライブについてよくある質問

ドライブは手首で打ちますか?

ドライブは手首だけを曲げて打つのではなく、前腕を回す動きと接触付近の指の握りを組み合わせます。
手首だけで横へ振るとラケット面が安定せず、狙った方向からシャトルが左右へ外れます。

構えでは軽く握り、打点の後ろへ面を入れてから、短い範囲でラケットヘッドを動かしてください。
フォアとバックで前腕が動く方向は変わりますが、体の前で捉えて構えへ戻す点は同じです。

ドライブの打点はどの高さですか?

腰から肩付近が一つの目安ですが、固定された高さではなく、ネットとの位置関係とシャトルの軌道によって変わります。
できる範囲で体の前へ打点を取り、相手に高い位置から触られない軌道を選んでください。

ネットより低い位置まで落ちた球を水平に打とうとすると、ネットへかかるか上向きに浮きます。
低い打点では少し高さを使う返球やロブへ切り替え、次のラリーへ備えましょう。

ドライブはシングルスでも使いますか?

シングルスでも、コート中間へ来た低い返球を相手の空いた横方向や奥へ速く送る場面で使います。
相手が中央へ戻る途中なら、進行方向と反対へ打つことで次の空間を作れます。

ダブルスより自分が守る範囲が広いため、体勢を崩しているときに速い球を選ぶと中央へ戻る時間が足りません。
自分の姿勢と相手の位置を見て、速さを使う場面と高さを使う場面を分けてください。

ドライブは強く打つほど有利ですか?

強く打っても高く浮いたり大振りになったりすると、相手へ攻撃され、次の返球にも遅れます。
相手の準備時間を減らせる低さと、自分が構え直せる動作の短さを優先してください。

制御できる速度で五往復を続け、軌道が高くならずラケットも胸の前へ戻る範囲から少しずつ速めます。
一球の最高速度ではなく、連続した交換で同じ打点を保てる速さを練習の基準にしましょう。

まとめ|体の前で短く打って次のドライブへ備えよう

ドライブは、コート中間で腰から肩付近に来たシャトルを、ネット付近の低い軌道で速く返すショットです。
ラケットを胸の前へ上げ、軽い握りからフォアとバックを替え、体より前方で短く弾きます。

試合ではダブルスの速い交換、サーブレシーブ後、守備からの反撃で使い、低い打点や体勢が崩れた場面では別の返球へ変更します。
打球後にラケットを残さず、胸の前へ戻すところまでを一回の動作として覚えてください。

最初の練習では、半分ほどの速度でストレートのドライブを五往復続け、毎回同じ構えへ戻れるか確認しましょう。
低い軌道と構え直しがそろってから、速度、左右の移動、コースの選択を一つずつ加えてください。