バドミントンのドライブを速く打とうとして、肩から大きく振ったり最初から強く握ったりすると、打点が遅れて軌道も高くなります。
相手へ時間を与えないドライブには、力の大きさより、早い準備、体より前方の打点、短い振り幅が必要です。
低く打つことだけを意識してラケット面を伏せるとネットへかかり、ネットを越そうとして面を上げると相手に攻撃される高さまで浮きます。
自分の打点から安全にネットを越え、相手コートへ沈む通過位置を先に安定させてください。
この記事では、ドライブを速く低く打つための七つのコツを、構え、移動、打点、握り、面、スイング、構え直しの順に解説します。
球が遅い、高く浮く、ネットにかかるなど、症状別の確認方法も紹介します。
ドライブを速く低く打つ7つのコツ
速く低いドライブは、ラケットを胸の前へ上げ、シャトルの後ろへ早く面を入れ、軽い握りから前腕と指を使って短く弾くことで生まれます。
打球後に同じ構えへ戻る動作までそろえると、二球目以降も打点を前に保てます。
| コツ | 行うこと | 改善できる問題 |
|---|---|---|
| 1 | 相手が打つ前にラケットを胸の前へ上げる | 準備の遅れ、振り遅れ |
| 2 | 打点を体の真横より前方に取る | 高く浮く球、横へのずれ |
| 3 | 構えでは軽く握り、接触付近で指を使う | 球速不足、大振り |
| 4 | 手首だけでなく前腕の回転を使う | 面の不安定、飛距離不足 |
| 5 | テイクバックと振り抜きを短くする | 次の球への遅れ |
| 6 | 面を目標へ向けて安全な高さを通す | 浮く球、ネットミス |
| 7 | 打球後にラケットを胸の前へ戻す | 連続ドライブの遅れ |
七つを一度に変えると、どの動作で球筋が変わったのか判断できず、同じ修正を再現できません。
同じ方向へ十球ほど打ち、最も大きな原因を一つ選んでから、次の十球で修正前後を比べましょう。
ドライブの意味、基本フォーム、フォアとバックの違いを先に確認したい人は、バドミントンのドライブとは何かを参考にしてください。
以下では七つのコツが必要な理由を球筋と結び付け、具体的な動作を順番に説明します。
強く振るだけではドライブは速くならない
ラケットを肩の後ろまで引いて大きく振れば、一球だけの速度は上がることがありますが、シャトルが来てから振り始めるため打点が遅れます。
相手にも打つ方向が見え、返球されたときにはラケットが体の外へ残ります。
ドライブではラケットヘッドを動かす距離を短くし、接触付近で一気に速度を上げるほうが、限られた時間を使えます。
軽い握りから指を閉じ、前腕の回転をつなげると、肩から振り回さなくてもシャトルへ速度を伝えられます。
速さは打球音だけで判断せず、相手がどの位置で触ったか、次の返球へ自分が構え直せたかも見てください。
強く打って高く浮く球より、制御した速度で低く体付近へ届く球のほうが相手の時間を奪えます。
コツ1|相手が打つ前にラケットを上げる
胸の前でフォアとバックの両方を待つ
相手が打つ前に肘を体から少し離し、ラケットヘッドを手首より高い位置へ置いて、胸の前で構えます。
この位置なら、フォア側にもバック側にも短い距離で面を出し、前方の打点を作れます。
ラケットが腰より下にあると、持ち上げてから後ろへ引く動作が加わり、速い球ほど体の横や後ろで捉えることになります。
打球後も胸の前へ戻し、相手のインパクト時には次の準備を終えてください。
相手の面から方向と高さを早く読む
シャトルがネットを越えてから追い始めるのではなく、相手のラケット面と打点を見て、飛んでくる方向と高さを予測します。
相手が打った瞬間に小さく着地し、シャトルが出た側へ体とラケットを同時に動かしてください。
予測はコースを決めつけることではなく、左右どちらにも動ける状態から最初の反応を早めるために行います。
相手の肩や腕だけを見ず、ラケット面とシャトルが接触する位置まで視線を残しましょう。
コツ2|シャトルを体の前方で捉える
体の真横まで待たず前へ打点を作る
ドライブは、シャトルとラケット面を視界に入れられるよう、体の真横より前方で捉えます。
前の打点なら面を目標方向へ向けたまま力を伝えられ、短い動作でも速度を出せます。
体の横や後ろまで待つと、面を前へ戻すために大きなスイングが必要になり、球は高く浮くかクロス方向へ流れます。
打点へ近づきすぎず、上体を傾けなくても腕を伸ばせる空間が残る位置へ足を運んでください。
シャトルの高さに合わせて体をずらす
体へ向かう球を正面で受けると肘が詰まり、ラケットを前へ加速できないため、左右へ小さく動いて体の横に打点を作ります。
フォア側ならラケット側の足、バック側なら反対側の足を使い、上体だけを倒さないようにします。
腰より低い球まで水平に打とうとするとネットへかかるため、打点に応じて少し高さを使うか、ブロックやロブへ変更します。
自分の打点を基準に、速いドライブを選べる高さと守備を優先する高さを分けてください。
コツ3|軽い握りから接触付近で指を使う
構えから強く握り続けると指が動かず、ラケットヘッドを加速するために腕全体を振らなければなりません。
準備ではグリップと手のひらの間にわずかな余裕を残し、親指と人差し指を中心に面を支えます。
シャトルへ面を合わせたあと、接触付近で指を閉じてグリップを握り、ラケットヘッドへ速度を伝えてください。
打球後まで強く握り続けず、指を緩めて次の握り替えができる強さへ戻します。
バックハンドでは親指を広い面へ添え、親指だけを伸ばして押すのではなく、残りの指でグリップを引き寄せます。
フォアハンドでは人差し指との間隔を残し、握り込む瞬間に前腕の動きを止めないようにしましょう。
コツ4|手首だけでなく前腕の回転を使う
ドライブを手首の横振りだけで打つと、ラケット面が接触直前に変わり、球が左右へ外れます。
フォアでは前腕を内側へ、バックでは外側へ回す動きに指の握りを加え、ラケットヘッドを短い距離で加速させます。
手首は完全に固定するのではなく、前腕とラケットの力を面へ伝えられる位置で保ちます。
大きく曲げて方向を作らず、面が目標へ向いた状態でシャトルの後ろを捉えてください。
前腕の動きが分からない場合は、ラケットを短く持って速度を落とし、フォアとバックを交互に素振りします。
肘の位置を大きく動かさず、ラケット面が左右から正面へ戻る動きを確認しましょう。
コツ5|テイクバックと振り抜きを短くする
ラケットを肩の後ろまで引かない
テイクバックとは打つ前にラケットを引く動作で、ドライブでは肘から先を動かせる小さな幅があれば十分です。
肩の後ろまで引くと相手にコースが見え、インパクトまでの時間も長くなります。
ラケットを胸の前からシャトルの後ろへ直接動かし、面が整った位置から前腕と指で弾いてください。
準備の大きさではなく、接触直前にラケットヘッドが加速したかを打球音と飛び方で確認します。
打球後にラケットを体の外へ残さない
フォロースルーとは打球後の振り抜きで、ドライブではラケットが体の正面を大きく越えない短い範囲に収めます。
長く振り抜くと次の返球へ戻す距離が増え、特に反対側へ来た速い球への準備が遅れます。
インパクト直後に無理やり止めるのではなく、短い振り幅の中で自然に減速し、肘を曲げて胸の前へ戻してください。
一球を打ち終える位置ではなく、次の球を待つ位置までを一回の動作として練習します。
コツ6|ラケット面とネット上の通過位置をそろえる
ドライブを低くしようとして面を下へ伏せすぎるとネットへかかり、ネットを越そうとして上へ向けると相手の打点まで高く浮きます。
面を狙う方向へ向け、自分の打点からネットを越えられる範囲で角度を調整してください。
最初から白帯ぎりぎりを狙わず、その上にシャトルが通る帯状の範囲を想定し、同じ高さへ十球通します。
安定してから少しずつ通過位置を下げると、面を急に伏せずに低い軌道へ近づけられます。
打点が高い球は少し下向きへ、ネットより低い球は少し上向きへ進むため、固定した面の角度だけを覚える方法は適しません。
自分の打点、ネット上の通過位置、相手の打点までを一本の軌道として見てください。
コツ7|打球後すぐに胸の前へ構え直す
一球目が速くてもラケットが打点へ残れば、相手から返る二球目を体の前で捉えられません。
ドライブでは打球後に肘を曲げ、ラケットヘッドを下げずに胸の前へ戻して次の返球を待ちます。
戻す動作を急いでインパクトが小さくなる場合は、振り始める位置が後ろへ大きすぎます。
テイクバックを短くして往復する距離そのものを減らし、打つ動きと戻す動きを同じ速さでつなげてください。
練習では一球ごとに止まらず、半分ほどの速度で五往復を続け、ラケットが毎回胸の前へ戻ったかを確認します。
連続性が保てる範囲から速度を上げると、大振りへ戻った瞬間を見つけられます。
フォアハンドドライブを速く低く打つコツ
フォアハンドではラケット側の肘を体から少し離し、シャトルへ近づきすぎない位置で、面を打点の後ろへ入れます。
ラケット側の足を小さく横へ出すと、体と打点の間に腕を動かす空間を作れます。
肩から前へ押し続けず、前腕を内側へ回す動きと指の握りを接触付近で合わせます。
打球後はラケットを反対側まで振り切らず、肘を曲げて胸の前へ戻し、次のバック側にも備えてください。
フォア側だけクロスへ流れる場合は、打点が体の横へ遅れているか、手首を横へ曲げています。
ストレートへ戻して前方の打点を作り、面が目標へ向いた状態で十球そろえましょう。
バックハンドドライブを速く低く打つコツ
バックハンドでは親指をグリップの広い面へ添え、肘を体の前に置いたまま、シャトルの後ろへラケット面を出します。
肘が脇へ付くと前腕を回せず、親指だけで前方へ押し続ける速度の出ない球になります。
接触付近で前腕を外側へ回し、親指で押す動きと残りの指でグリップを引く動きを組み合わせます。
面を上へ向けず、相手の体付近へ直線的に届く方向へラケットヘッドを動かしてください。
体の正面へ来た球は、フォアへ回り込もうとすると打点が遅れるため、バックハンドで短く返す選択があります。
構えの段階から親指を動かせる余裕を残し、体の前で素早く面を作りましょう。
ドライブの球筋から原因を判断する
球が遅いときに力を増やし、高く浮いたら面を伏せるという調整だけでは、ネットミスと大振りを繰り返します。
軌道、落下地点、打球後の姿勢を分け、次の表から最初に直す項目を選んでください。
| 症状 | 考えられる原因 | 最初の修正 |
|---|---|---|
| 強く振っても遅い | 握り続ける、芯を外す、打点が後ろ | 軽い握りから前方で中央に当てる |
| 速いが高く浮く | 面が上向き、前へ長く押す | 面を目標へ向け振り幅を短くする |
| 低くするとネットにかかる | 面を伏せすぎる、狙いが低い | 通過目標を一段上げる |
| 左右へ外れる | 手首だけで打つ、体が傾く | 足を動かして前方に打点を作る |
| 二球目へ遅れる | テイクバックと振り抜きが大きい | ラケットの往復距離を短くする |
同じ球出しを十球打って、ネットより高く浮いた球、ネットへかかった球、低く入った球を分けて数えます。
一球の速さではなく、低く入った本数と胸の前へ戻れた回数を改善の基準にしてください。
二球目だけ遅くなる場合は体力より構え直しを疑い、一球目の振り抜きを小さくします。
三球目以降に面が上を向く場合は、握り続けて前腕が動かなくなっていないか確認しましょう。
速く低いドライブを身につける確認練習
半分の速度でストレートを5往復する
二人でコート中間に立ち、最初は半分ほどの速度でストレートのドライブを五往復続けます。
ネットぎりぎりではなく安全な高さを通し、ラケットを毎回胸の前へ戻してください。
五往復できたら少し速度を上げ、軌道が高くなったり構えが遅れたりした段階で元の速度へ戻します。
低い軌道で続けられる速度を基準にすると、強さを増やしてもフォームを保てる境目を確認できます。
左右交互の手投げで打点を前へそろえる
球出し役は打つ人のフォア側とバック側へ交互に手投げし、打つ人は一歩動いて体の前でシャトルを捉えます。
左右各五球を一組として、体との距離、前方の打点、ラケットを胸の前へ戻す位置を確認してください。
球出しが速すぎると足より腕だけで合わせるため、打つ人が胸の前へ構え直してから次の球を出します。
具体的な回数と段階は、バドミントンのドライブ練習方法で詳しく紹介しています。
試合では速さより相手の打点を低くする
試合で有効なドライブは、速度計で最も速い球ではなく、相手が体より後ろや低い位置で触る球です。
相手のラケットが遅れている側、フォアとバックの間、ダブルスのペアの間へ制御して送ります。
相手がネット前でラケットを高く上げて待っている場合は、低いドライブでも短い距離で止められるため、同じコースを続けません。
相手の体から離れた方向や頭上を使い、ラケットを構えて待つ位置そのものを動かしてください。
自分の打点がネットより低い場合は、無理に速く下へ打たず、少し高さを使う返球やロブへ変更します。
速い展開を続けることより、相手に上から打たれる甘い球を避ける判断が優先です。
ドライブのコツについてよくある質問
ドライブは力を抜くと速くなりますか?
最初から最後まで脱力するのではなく、構えでは軽く握り、接触付近で指を閉じてラケットヘッドを加速させます。
握る強さに変化があることで、短いスイングでもシャトルへ速度を伝えられます。
打球後まで握り続けると次の握り替えが遅れるため、胸の前へ戻す途中で再び軽い状態へ戻してください。
力を抜く目的は弱く打つことではなく、指と前腕が動ける余裕を作ることです。
ドライブを低くするには白帯ぎりぎりを狙いますか?
最初から白帯ぎりぎりだけを狙うと、打点や面が少し変わっただけでネットミスになります。
白帯の上に帯状の通過範囲を作り、十球中七球ほど同じ高さを通せるところから始めてください。
軌道が安定したら通過範囲を少しずつ下げますが、相手が低い位置で触るなら、白帯から多少離れていても役割を果たします。
ネットとの距離だけでなく、相手がシャトルへ接触した高さと体勢も合わせて評価しましょう。
ドライブが速くならないのは筋力不足ですか?
筋力だけが原因とは限らず、強く握り続ける、大きく振る、芯を外す、打点が後ろへ遅れるといった動作でも速度は下がります。
一定の手投げを使い、軽い握りからラケット中央で捉えられるかを先に確認してください。
小さな動作で低い球を続けられてから、前腕と指によるラケットヘッドの加速を少しずつ増やします。
一球だけの速度を追うより、五往復を同じ打点と軌道で続けられる速度の範囲を広げましょう。
ガットを硬く張るとドライブは速くなりますか?
ガットの張力を変えると打球感は変わりますが、硬く張るだけでドライブの速度と低さが整うわけではありません。
初心者はラケット中央を外したときの飛距離が落ちることもあるため、道具より打点と接触を先に確認します。
現在の張力で痛みなく打てているなら、構え、握り、前腕、振り幅を整えてから道具の調整を検討してください。
張力を大きく変更する場合は、使用するラケットの対応範囲を確認し、専門店へ相談しましょう。
まとめ|短い動作で前方の打点を捉えよう
ドライブを速く低く打つには、相手が打つ前にラケットを胸の前へ上げ、体より前方でシャトルの後ろへ面を入れます。
軽い握りから前腕と指を使い、短いテイクバックと振り抜きでラケットヘッドを加速させてください。
低さは面を下へ伏せるだけで作らず、自分の打点から安全にネットを越え、相手が低い位置で触る軌道を基準にします。
打球後はラケットを胸の前へ戻し、二球目以降も同じ打点を保てる速度から練習しましょう。
次の練習では半分ほどの速度でストレートを五往復し、低い軌道、前方の打点、胸の前への構え直しを一つずつ確認してください。
五往復を続けられたら少しだけ速度を上げ、フォームが崩れた地点を現在の上限として記録します。

