バドミントンを始めたばかりの人にとって、最初の壁になりやすいのがサーブです。
シャトルへ当たらない、ネットを越えない、正しいコートへ入らないなど、複数の失敗が重なることもあります。
初心者がサーブを入れるには、強く振るより、シャトルとラケットを近づけて小さな動作で打つことが大切です。
最初はネットぎりぎりを狙わず、対角線上のサービスコートへ確実に入れることを優先します。
この記事では、サーブを打つ位置、シャトルの持ち方、バックハンドとフォアハンドの打ち方を順番に解説します。
サーブが入らない原因や、一人でフォームを確認する練習方法も覚えましょう。
初心者はどのサーブから覚えるべきか
ダブルスを中心にプレーする人はバックハンドのショートサーブ、シングルスを中心にプレーする人はフォアハンドのロングサーブから覚えます。
使用する場面と必要な軌道が異なるため、自分が参加する試合形式に合わせて選んでください。
| 主な試合形式 | 最初に覚えたいサーブ | 狙う場所 |
|---|---|---|
| ダブルス | バックハンドのショートサーブ | 相手側のショートサービスライン付近 |
| シングルス | フォアハンドのロングサーブ | 相手コートの後方 |
バックハンドサーブはラケットとシャトルを体の前へ構え、小さな動作で打つ方法です。
フォアハンドサーブは体の横からラケットを振り、体重移動を使ってシャトルを高く奥へ飛ばします。
どちらか一方を覚えればよいわけではなく、最終的には短いサーブと長いサーブの両方が必要です。
まず一種類を安定させ、10球中8球程度入るようになってから、別の打ち方へ進みましょう。
サーブを打つ前に位置とルールを確認する
バドミントンのサーブは、好きな場所から自由な方向へ打てるわけではありません。
サーバーとレシーバーが対角線上のサービスコートへ立ち、決められた範囲へシャトルを入れます。
偶数は右側、奇数は左側から打つ
サーバー側の得点が0を含む偶数の場合は、コートの右側からサーブを打ちます。
得点が奇数の場合は左側へ移り、どちらの場合も対角線上にいる相手へ打ってください。
境界線を踏んで構えることはできないため、両足をサービスコートの線より内側へ置きます。
詳しい立ち位置は、バドミントンのサーブを打つ位置で確認できます。
シャトル全体を1.15メートルより低くする
サーブを打つ瞬間は、シャトル全体がコート面から1.15メートルより低い位置になければなりません。
身長や腰の位置を基準にせず、シャトルの最も高い部分まで基準より下に収めます。
ラケットは最初にシャトルのコルク部分へ当て、上向きの軌道でネットを越えるように打ちます。
サービスに関する規則は、バドミントンのサーブルールで詳しく解説しています。
両足の一部を床へ付けておく
サーブの開始から打球まで、サーバーとレシーバーは両足の一部を床へ付けた状態で静止します。
足を引きずったり、片足を完全に浮かせたり、打球前に一歩踏み出したりするとフォルトになります。
足裏全体を床へ付ける必要はありませんが、打球前に位置を動かしてはいけません。
最初に足の位置を決め、打ち終わるまで同じ場所へ保ってください。
サーブを安定させるシャトルの持ち方
サーブの打点を安定させるには、ラケットの振り方だけでなく、シャトルの持ち方を毎回そろえる必要があります。
強く握ったり持つ位置を変えたりすると、コルクの向きとラケットまでの距離が変わります。
バックハンドサーブでは羽根の根元付近を持つ
バックハンドサーブでは、親指と人差し指で羽根の根元付近を軽く持ち、コルクをラケット面へ向けます。
羽根を押しつぶさず、ラケットが当たったときに自然に指から離れる強さで保持してください。
シャトルをラケット面へ押し付ける必要はありませんが、大きく離すと打点がずれます。
コルクとストリング面の間にわずかな間隔を作り、短いスイングで当てられる位置へ準備します。
フォアハンドサーブではシャトルを投げない
フォアハンドサーブでは、シャトルの羽根を軽く持ち、体の前方で自然に落下させます。
上へ投げたり前方へ放ったりすると、落ちる位置が毎回変わり、ラケットの芯へ当たりません。
持っている指を開き、同じ位置から真下へ落とすことがポイントです。
シャトルを離す手とラケットを振るタイミングを合わせ、体から離れすぎない位置でコルクを捉えます。
バックハンドサーブの打ち方
バックハンドサーブは動作が小さく、ネット付近を低く通すショートサーブに適しています。
ラケットを体の前へ構え、シャトルとストリング面を近づけてから、短く前へ押し出します。
親指でグリップを支える
バックハンドサーブでは、親指をグリップの広い面へ添え、親指側からラケットを支えます。
すべての指で強く握り込まず、親指と人差し指を中心に面の向きを調整してください。
親指をグリップの真後ろへ強く押し付けると前腕が固まり、ラケットを滑らかに動かせません。
指にはわずかな隙間を残し、打球付近で必要な分だけ握ります。
ラケットを体の前へ構える
ラケットは体の横ではなく、みぞおちから腰付近の前方へ構えます。
肘を体へ強く付けず、前腕とラケットを無理なく前へ動かせる空間を作ってください。
シャトルのコルクをストリング面へ向け、打ちたい高さで静止させます。
構える高さが毎回変わると軌道も変わるため、自分の基準となる位置を決めましょう。
ラケットを小さく後ろへ引く
バックハンドサーブでは大きなバックスイングを使わず、ラケットヘッドを数センチ程度後方へ動かします。
大きく引くほど飛ぶわけではなく、面がずれたり打球のタイミングが合わなくなったりします。
ショートサーブでは、シャトルを強く打つより、ラケット面で前方へ運ぶ感覚が必要です。
最初は小さな振り幅でネットを越え、相手側のサービスコートへ入る力加減を探してください。
コルクをラケットの芯で捉える
ラケットを前方へ動かし、シャトルのコルクをストリング面の中央付近で捉えます。
手首を大きく曲げず、ラケット面を狙う方向へ保ったまま、短く押し出してください。
打球時にシャトルを持つ手を横へ動かすと、コルクとラケット面の位置がずれます。
シャトルを同じ場所へ保ち、ラケットをコルクへ向けて動かしましょう。
打球後はラケットを体の前へ戻す
シャトルを打ったあとにラケットを大きく振り続けず、動きを短く収めます。
グリップを緩めながらラケットヘッドを上げ、相手のリターンに備えて体の前へ戻してください。
詳しいグリップとラケット面の作り方は、バドミントンのバックハンドサーブの打ち方で解説しています。
低い軌道を作る場合は、ショートサーブの打ち方も参考にしましょう。
フォアハンドサーブの打ち方
フォアハンドサーブは、ラケットを体の横から振り、シャトルを高く奥へ飛ばすロングサーブに適しています。
腕だけで強く振らず、後ろ足で床を押しながら体重を前足側へ移します。
ラケット側の足を後ろへ置く
右利きの場合は右足を後方、左足を前方へ置き、上半身をネットに対して斜めに構えます。
左利きの場合は左右を反対にし、ラケットを振る空間を体の横へ確保してください。
足幅を広げすぎると体重を移せず、狭すぎるとスイング中にバランスを崩します。
両膝を軽く曲げ、後ろ足で床を押せる程度の間隔を目安にしましょう。
シャトルを体の前方へ準備する
シャトルはラケット側の体の前方へ持ち、腕を伸ばし切らない高さで準備します。
体へ近すぎるとラケットを振る空間がなくなり、遠すぎると上半身が前へ傾きます。
何度かシャトルを落とす練習を行い、毎回ほぼ同じ位置へ落下するか確認してください。
ラケットを持たずに落下位置を安定させてから、スイングを加えると打点をそろえられます。
ラケットを後方から前方へ振る
ラケットを体の後方へ引き、シャトルを離す動作に合わせて前方へ振ります。
肩から腕を力任せに動かさず、後ろ足で床を押しながら腰と上半身を前へ向けてください。
ラケットヘッドは低い位置から前方へ進み、コルクを下から捉えて上向きの軌道を作ります。
手首だけで持ち上げず、体重移動とラケット全体のスイングを使って飛距離を出しましょう。
打球後は前足で体を支える
打球後は後ろ足から前足へ体重が移り、ラケットが自然に前方へ動きます。
上半身だけを前へ倒さず、前足で体を支え、すぐに準備姿勢へ戻れるバランスを保ってください。
詳しい手順は、バドミントンのフォアハンドサーブの打ち方で確認できます。
相手コートの奥へ飛ばす方法は、バドミントンのロングサーブの打ち方も参考にしてください。
初心者でもサーブを入れる5つのコツ
初心者がサーブを安定させるには、ネットぎりぎりへ打つ技術より、毎回同じ条件を作ることが重要です。
足、シャトル、ラケット、視線、狙う場所を固定し、一度に一つの項目を修正しましょう。
毎回同じ構えから始める
足の位置、シャトルを持つ高さ、ラケット面までの距離を毎回そろえます。
構えが変われば同じスイングをしても軌道が変わるため、自分なりの準備手順を決めてください。
サーブを打つ前に、足、グリップ、シャトル、狙う場所という順番で確認します。
試合でも同じ手順を繰り返すと、緊張した場面でも普段のフォームを再現できます。
シャトルとラケットを近づける
バックハンドサーブでは、コルクとストリング面を近づけるほど、芯へ当てるまでの動作を小さくできます。
シャトルを遠くへ離して構えると、面がコルクへ届くまでに軌道がずれます。
最初はコルクとラケット面の間にわずかな距離だけを作り、短く前へ動かしてください。
安定して当たるようになってから、必要に応じて振り幅と速度を調整します。
シャトルを打点まで見る
サーブを打つ前に相手や狙う場所を見たら、打球動作ではシャトルのコルクへ視線を戻します。
コルクがストリング面へ当たる付近まで見て、打球前に顔を上げないようにしてください。
軌道を早く確認しようとして視線を上げると、シャトルを持つ手も一緒に動くことがあります。
打ち終わってから顔を上げ、相手のリターンとシャトルの飛び方を確認しましょう。
最初はサービスコートの中央を狙う
初心者がライン際を狙うと、わずかな面のずれでサイドアウトや奥へのアウトが増えます。
最初は対角線上のサービスコート中央を狙い、ネットを越えて範囲内へ入れることを優先してください。
10球中8球程度が入るようになったら、中央、外側、相手の体側へ狙いを分けます。
コースの練習へ進んでもフォームは変えず、ラケット面と立つ位置を小さく調整しましょう。
打ったあとまで練習する
サーブが入ったかを見るために動きを止めると、試合でもラケットを下げたままになります。
打球後はラケットを体の前へ戻し、膝を軽く曲げて相手のリターンへ備えてください。
練習相手がいる場合は、サーブを返してもらい、次の一球まで打つ練習を行います。
サーブだけで終わらず、ラリーの始まりとして動作をつなげることが大切です。
サーブが入らない原因と改善方法
サーブが入らないときは、打つたびにフォーム全体を変えず、ミスした方向から原因を判断します。
ネット、オーバー、左右、空振りというように記録すると、修正する部分を絞れます。
| サーブの失敗 | 主な原因 | 改善するポイント |
|---|---|---|
| 空振りする | シャトルやラケットを動かしすぎている | 両者を近づけ、小さな動作で打つ |
| ネットへ届かない | 面が下向き、打つ力が弱い | 面を少し上へ向け、前方へ動かす |
| 高く浮く | 面が上を向きすぎている | シャトルを上ではなく前へ運ぶ |
| 奥へ飛びすぎる | 振り幅や握る力が大きい | スイングを小さくし、中央を狙う |
| 左右へ外れる | 打球時に面が斜めになっている | 手首を動かさず、面を早めに作る |
空振りする場合
空振りが続く場合は、シャトルを持つ手とラケットの両方を同時に大きく動かしています。
シャトルの位置を固定し、ラケットだけを短く動かしてコルクへ当てる練習から始めてください。
詳しい原因は、サーブで空振りする原因と5つのコツで解説しています。
フレームや羽根へ当たる場合は、サーブがラケットの芯に当たらない原因と改善方法も確認しましょう。
サーブがネットを越えない場合
ラケット面が下を向いているか、前方への動きが途中で止まっていると、シャトルはネットまで届きません。
面をわずかに上へ向け、打球後もラケットを短く前方へ動かしてください。
強く振っても飛ばない場合は、芯を外しているか、打球前からグリップを握り込んでいます。
サーブが飛ばない原因と遠くまで飛ばすコツも参考にしてください。
サーブが高く浮く場合
ショートサーブが高く浮く場合は、ネットを越そうとしてラケット面を上へ向けすぎています。
シャトルを持ち上げるのではなく、ネットの上端付近へ向けて前方へ運んでください。
低く打つための打点とラケット面は、サーブが浮く原因と改善ポイントで詳しく解説しています。
ネットぎりぎりへ下げる前に、毎回同じ高さで越えられる軌道を作りましょう。
初心者向けのサーブ練習方法
サーブ練習は一人でもできますが、同じフォームを確認せずに数だけ打つと、ミスした動作も身につきます。
近い距離、通常の位置、コースの打ち分けという順番で難度を上げてください。
ラケットへシャトルを当てる
バックハンドの構えでシャトルを持ち、最初はラケットを振らず、コルクをストリング面の中央へ軽く当てます。
次にラケットを数センチだけ後ろへ引き、同じ位置のコルクを短く打ってください。
フォアハンドではシャトルを同じ位置へ落とし、ラケットを持たずに落下地点を確認します。
毎回ほぼ同じ場所へ落とせるようになってから、ゆっくりしたスイングを加えましょう。
ネットの近くから打つ
通常のサービス位置から入らない場合は、ネットへ近い場所から対角線上へ打ちます。
距離が短い状態で芯へ当て、ネットを越える面の角度と力加減を確認してください。
5球から10球程度続けて入ったら、少しずつ後方へ移動します。
距離を伸ばすたびに強く振らず、基本の構えと打点を保ったまま力を調整しましょう。
目印を置いて10球打つ
サービスコートの中央付近へタオルやシャトルケースを置き、10球続けて狙います。
入った数だけでなく、ネット、短い、長い、左右というミスの方向も記録してください。
同じ方向へ外れる場合はラケット面、距離が安定しない場合は振り幅と打点を確認します。
詳しい練習メニューは、一人でできるサーブ練習方法で紹介しています。
サーブの打ち方に関するよくある質問
サーブは手首で打ちますか?
手首だけを大きく曲げて打つのではなく、前腕と指を使ってラケットヘッドを動かします。
バックハンドサーブでは小さな前腕の動きと握り込み、フォアハンドでは腕と体重移動を組み合わせてください。
サーブはどこを見て打ちますか?
構える前に相手の位置と狙うコースを確認し、打球動作へ入ったらシャトルのコルクを見ます。
コルクがラケットへ近づくところまで視線を保ち、打球後に相手とシャトルの軌道を確認してください。
初心者はバックハンドとフォアハンドのどちらが簡単ですか?
短い距離へ打つ場合は、シャトルとラケットを近づけられるバックハンドサーブから始められます。
高く奥へ飛ばす場合は、体重移動と大きなスイングを使えるフォアハンドサーブが適しています。
ネットに触れて入ったサーブは打ち直しますか?
サーブがネットへ触れても、そのまま正しいサービスコートへ入れば有効です。
ネットへ触れたことだけではやり直しにならず、越えなかった場合や範囲外へ落ちた場合はフォルトになります。
ライン上へ落ちたサーブは入っていますか?
有効なサービスコートを囲むライン上へ落ちた場合はインです。
シングルスとダブルスでは有効な横と奥のラインが異なるため、試合形式に合わせて確認してください。
小さな動作でサーブを安定させよう
初心者がサーブを入れるには、強く振るより、シャトルとラケットの位置を毎回そろえることが重要です。
バックハンドサーブでは両者を近づけ、ラケットを小さく動かしてコルクを芯で捉えます。
フォアハンドサーブではシャトルを投げ上げず、同じ場所へ自然に落とし、体重移動を使って下から打ちます。
腕だけで飛ばそうとせず、後ろ足で床を押しながらラケットを前方へ動かしてください。
最初はサービスコート中央を狙い、10球中8球程度入ることを目標にします。
安定したらショート、ロング、フリックへ種類を広げ、左右のコースも練習しましょう。
サーブの種類、ルール、練習方法をまとめて確認する場合は、バドミントンのサーブ完全ガイドも参考にしてください。
打球後はラケットを体の前へ戻し、相手のリターンへ備えるところまでを一つの動作として覚えましょう。

