「高校生からバドミントンを始めても遅いのでは」「中学校から続けている経験者には追いつけないのでは」と不安に感じている人もいるかもしれません。
しかし、高校のバドミントン部には高校から競技を始める初心者も在籍しており、基礎から練習を重ねながら試合出場や大会での勝利を目指している選手もいます。
もちろん、中学や小学生の頃から続けている経験者とはスタート時点で差がありますが、その差だけを見て「今からでは無理」と考える必要はありません。
高校から始める場合は、限られた期間の中でグリップ、構え、フットワーク、基本ショット、サーブなど優先順位の高い技術を順番に身につけることが重要です。
この記事では、高校生からバドミントンを始めても遅くないのかを整理したうえで、初心者が最初に取り組みたい練習方法や、経験者との差を少しずつ縮めるための考え方を解説します。
高校生からバドミントンを始めても遅くない?
結論からいうと、高校からバドミントンを始めること自体は遅すぎるわけではありません。
実際に、高校から始めた初心者が多く所属しているバドミントン部もあり、基礎練習から始めて大会出場や勝利を目指して活動している学校があります。
ただし、高校の部活動は中学校より活動できる期間が限られるため、「そのうち上手くなればいい」と考えるより、最初の数か月で基本を丁寧に身につけることが重要になります。
スマッシュの速さや難しいショットを先に追うのではなく、シャトルへ安定して入れる位置まで動き、正しい打点で返せる土台を作ることを優先してください。
高校から始めた初心者でも試合で勝てる?
高校から始めた初心者でも試合で勝てる可能性はありますが、「何か月練習すれば必ず勝てる」と決めることはできません。
部活動の練習量、本人の運動経験、指導環境、地域の競技レベルなどによって成長速度は変わるため、まずは自分が試合を成立させるために必要な技術を身につけることが先になります。
高校初心者の場合は、いきなり経験者から点を取ることより、サーブを安定して入れる、簡単なシャトルをミスしない、相手コートへ何度も返すといった基本を増やす方が試合につながります。
強いスマッシュを一本決めることより、自分から簡単な失点を減らせるようになることが、初心者同士の試合では特に重要です。
高校から始めるなら最初の3か月が重要
高校から始める場合は、最初の数か月でどのようなフォームや動き方を覚えるかが、その後の練習効率に影響します。
自己流の握り方や力任せのスイングが習慣になると、後から修正するために時間が必要になるため、入部直後ほど基本動作を丁寧に確認してください。
最初の3か月ですべてのショットを完成させる必要はありませんが、少なくともラケットを自然に操作し、シャトルへ移動して基本ショットを返す流れを身につけることを目標にすると、その後のゲーム練習へ進みやすくなります。
最初の1か月|グリップ・構え・シャトルに当てる
最初の1か月は、ラケットの握り方と基本姿勢を覚え、シャトルへ安定して当てることを優先します。
経験者が打つクリアやスマッシュを真似したくなる時期ですが、ラケット面へ正しく当てられない状態で強く振っても、空振りやフレームショットが増えやすくなります。
手投げされたシャトルを打つ、近距離で軽く打ち合う、フォアとバックを交互に使うなど、難易度を下げた練習から始めてください。
シャトルに当たらない状態が続く場合は、フォーム全体を変える前に、距離・打点・ラケット面・タイミングを確認すると原因を見つけやすくなります。
2か月目|フットワークと基本ショットを増やす
止まった状態でシャトルへ当てられるようになってきたら、次は前後左右へ移動して打つ練習を増やします。
バドミントンではシャトルが毎回自分の正面へ飛んでくるわけではないため、打ち方だけでなく、自分が打ちやすい位置まで移動するフットワークが必要です。
同時に、クリア、ドロップ、ヘアピン、ロブなどの基本ショットを一つずつ覚え、コートの前後へシャトルを返せるようにしていきます。
ショット数を急に増やすより、まず一つのショットをある程度安定させてから次へ進む方が、自分の課題を把握しやすくなります。
3か月目|サーブとラリーをゲームにつなげる
基本ショットが少しずつ使えるようになったら、サーブを安定して入れ、実際のラリーやゲーム形式へつなげていきます。
試合ではサービスから始まるため、ラリー中のショットだけ上達しても、サーブが安定しなければ自分のプレーを作りにくくなります。
この時期は「勝つこと」だけを目標にせず、サーブを入れる、3球以上返す、打った後に中央へ戻るなど、ゲームの中で基本動作を使えるかを確認してください。
練習でできる技術をゲーム中にも再現できるようになると、初心者から次の段階へ進みやすくなります。
高校生初心者が最初に覚えたい5つの基本
高校から始めた初心者は、限られた練習時間を有効に使うためにも、すべての技術へ同じ時間を使う必要はありません。
まずは今後ほぼすべてのショットやラリーに関係する、次の5つを優先して身につけてください。
- グリップ
- 構え
- 打点
- フットワーク
- フォアハンドとバックハンドの切り替え
この基本がある程度安定すると、クリアやスマッシュなど個別のショットを練習するときにも、何が原因でうまくいかないのか判断しやすくなります。
反対に、基本が不安定な状態で技術だけを増やすと、ショットごとに違う癖がつき、修正する項目も増えてしまいます。
フットワークを早く身につける
高校から始める初心者が優先したい技術の一つがフットワークです。
シャトルをきれいに打つフォームを覚えていても、実際のラリーで打点まで移動できなければ、そのフォームを使うことができません。
初心者のうちは「速く走ること」をフットワークだと考えやすいですが、重要なのはシャトルへ近づきすぎたり遠すぎたりせず、自分が打ちやすい距離で止まれることです。
最初は中央から一方向へ移動して戻る練習を繰り返し、動きが安定してから複数方向へ範囲を広げてください。
高校の部活動でも、フットワークやノック、素振りなどを基礎練習として取り入れている学校があります。
動き方を最初から整理したい場合は、フットワークの基本をまとめた記事から確認できます。
→ バドミントンのフットワーク完全ガイド|基本の動き方と練習方法
高校初心者はクリアを安定させる
基本ショットの中でも、高校から始めた初心者が早めに安定させたいのがクリアです。
相手コートの奥へ返せるようになると、自分が苦しい場面でも時間を作りやすくなり、オーバーヘッドストロークの基本動作を覚える練習にもなります。
最初からベースラインまで飛ばすことだけを目標にすると、肩や腕へ力を入れて振り回しやすくなるため、まずは正しい打点でラケット面へ当てることを優先してください。
フォームが安定してから少しずつ距離を伸ばす方が、スマッシュやドロップへも応用しやすくなります。
スマッシュだけに時間を使いすぎない
高校生になると体格や筋力も発達してくるため、初心者でも強いスマッシュを打ちたいと感じやすくなります。
しかし、試合では毎回スマッシュを打てるわけではなく、クリア、ドロップ、ヘアピン、ドライブ、ロブなどを使ってラリーを組み立てる必要があります。
また、十分な打点へ入れないまま力だけでスマッシュを打とうとすると、スイングが大きくなり、ほかのショットまで力みやすくなることがあります。
スマッシュは基本ショットとフットワークを練習しながら少しずつ取り入れ、攻撃できる場面で使う一つの選択肢として覚えていきましょう。
→ バドミントンの基本ショット一覧|初心者が覚えたい打ち方を解説
サーブは試合に出る前に安定させる
高校から始めた初心者が試合へ出るためには、ラリー中のショットだけでなく、サーブも安定して打てる必要があります。
強いショットが打てても、サービスで毎回ミスしてしまうと自分のラリーを始められないため、基本ショットと並行して早い段階から練習してください。
最初は相手を崩すサーブを狙うより、決められたサービスコートへ同じフォームで繰り返し入れられることを目標にします。
安定して入るようになってから、高さやコース、ショートサーブやロングサーブなどの使い分けへ進むと練習しやすくなります。
→ バドミントンのサーブ完全ガイド|種類・打ち方・コツを解説
高校生初心者におすすめの練習順序
高校から始める場合は、3年間でできるだけ多くの技術を覚えたいと考えやすいですが、最初からすべてを同時に練習すると基本が不安定になりやすくなります。
次の順番を一つの目安にしながら、基礎からゲームへ段階的につなげると、自分がどこまでできているのかも確認しやすくなります。
- グリップと構えを覚える
- シャトルへ安定して当てる
- フォアハンドとバックハンドを使う
- フットワークを身につける
- クリアなど基本ショットを練習する
- サーブを安定させる
- 基礎打ちを続けられるようにする
- ゲーム形式で基本技術を使う
実際の部活動では学校ごとの練習メニューがありますが、自主練習をするときにもこの順番を意識すると課題を整理しやすくなります。
具体的な練習方法まで知りたい場合は、初心者向け練習メニューを使って基礎から進めてください。
→ バドミントン初心者の練習メニュー|最初にやるべき基礎練習
部活の練習時間を無駄にしないために意識すること
高校の部活動では体育館をほかの部と共有していたり、コート数に対して部員数が多かったりして、実際にシャトルを打てる時間が限られることがあります。
そのため、コートに入れる時間だけが練習ではなく、待っている時間に素振りやグリップ確認、フットワークを行うなど、使える時間を分けて考えることが重要です。
実際に初心者が多い高校のバドミントン部でも、限られた体育館時間を有効に使うために練習メニューを工夫している例があります。
「今日は何となく練習した」で終わらせず、一回の部活で一つだけ改善テーマを決めておくと、短い練習時間でも目的を持って取り組みやすくなります。
自主練習では何をすればいい?
部活動以外でも練習したい場合は、いきなり長時間の自主練習を増やすより、部活で教わった基本を短時間で復習する方法がおすすめです。
グリップの切り替え、素振り、フットワークなどはシャトルを大量に使わなくても確認できるため、コートを使えない日でも取り組めます。
自主練習では「100回素振りする」のように回数だけを目標にするのではなく、ラケット面が正しく向いているか、打った後に構えへ戻れているかなど、確認するポイントを決めてください。
間違ったフォームを大量に反復するより、少ない回数でも正しい動きを確認しながら練習する方が修正しやすくなります。
経験者との差を縮めるなら苦手を一つずつ潰す
経験者との差を早く縮めたいからといって、経験者と同じショットや練習メニューをすべて真似する必要はありません。
初心者は改善できる部分が多いため、自分が最も失点している原因を一つ見つけ、それを優先して直した方が試合内容を変えやすくなります。
たとえば、空振りが多いなら打点と距離、次のシャトルに遅れるならフットワーク、サーブミスが多いならサービスだけを重点的に確認します。
「もっと上手くなる」という大きな目標ではなく、「このミスを減らす」と課題を小さくすると、毎回の練習で改善できたか判断しやすくなります。
高校から始めるならルールも早めに覚える
技術練習だけを続けていても、得点の数え方やサービス位置、シングルスとダブルスのコートの違いが分からなければ、ゲーム形式の練習で迷ってしまいます。
大会へ出ることを考えているなら、基本技術と並行して試合で必要になるルールも少しずつ覚えておきましょう。
最初から競技規則をすべて暗記する必要はなく、まず得点の進み方、どちらからサーブするか、どのラインまでがインかなど、ゲームを進めるために必要な部分から覚えれば十分です。
細かなルールは実際にゲームをしながら確認していくと理解しやすくなります。
ラケットやシューズは入部後に確認してから買う
高校でバドミントン部へ入ることが決まっても、入部前に高価なラケットやシューズ、バッグなどをすべて購入する必要はありません。
学校によって推奨される用品やウェア、購入方法が異なる場合があるため、最初に顧問や部活動の案内を確認してからそろえる方が失敗しにくくなります。
特にラケットは上級者向けモデルを選べば上達しやすいわけではなく、初心者が扱いやすい重さやバランスを選ぶことが重要です。
入部前に必要な用品を整理したい場合は、中学生・高校生向けの準備記事から確認してください。
→ バドミントン部に入る前に準備するもの|中学生・高校生向け
高校2年生から始めても遅くない?
高校2年生から始める場合は、1年生から始めた人より活動できる期間が短くなるため、試合で高い結果を目指すほど時間的な条件は厳しくなります。
それでも、趣味として競技を覚えたり、部活動や地域の練習でラリーやゲームを楽しめるようになったりすることまで諦める必要はありません。
限られた期間で上達したい場合は、スマッシュなど一部の技術だけに時間を使わず、グリップ、フットワーク、クリア、サーブなど使用頻度の高い基本から優先してください。
「残り時間が少ないから全部練習する」のではなく、「使う技術を絞って安定させる」と考える方が実戦へつなげやすくなります。
高校3年生から始めても意味はある?
学校の部活動へ正式に入れる時期は学校ごとに異なりますが、高校3年生からでもバドミントンそのものを始める意味がなくなるわけではありません。
競技経験は高校卒業後も大学のサークル、社会人クラブ、地域の体育館などで続けることができるため、「高校の大会に間に合わないから始めても無意味」と考える必要はありません。
大会成績を目標にするのか、長く続けられる趣味として覚えたいのかによって、必要な練習内容は変わります。
高校生活の残り期間だけで判断せず、その後も続けたいスポーツなのかという視点で考えてみると、始める意味を判断しやすくなります。
高校生から始めるときによくある質問
高校から始めてもレギュラーになれますか?
レギュラーになれるかどうかは、部員数、チームの競技レベル、本人の上達度、指導者の選考基準などによって変わるため、初心者でも必ずなれるとは言えません。
まずは基本を安定させ、練習試合や校内戦で自分のミスを減らし、試合を組み立てられる状態を目指してください。
高校から始めても大会で勝てますか?
高校から始めた未経験者が大会で勝っている例はありますが、誰でも同じ結果になるわけではありません。
最初から大会成績だけを目標にするより、サーブ、レシーブ、基本ショット、フットワークを安定させ、自分から簡単な失点を減らすことが勝利への土台になります。
毎日自主練習した方が上達しますか?
毎日練習すれば必ず速く上達するとは限らず、疲れた状態でフォームを崩して反復すると、間違った動きを覚えることがあります。
部活動の内容を基準にしながら、必要であれば短時間の素振りやフットワークを追加し、練習量よりも何を改善するのかを意識してください。
運動部未経験でもバドミントン部に入れますか?
初心者を受け入れている高校のバドミントン部は実際にありますが、入部条件や活動方針は学校によって異なります。
入部前に見学や体験へ参加し、初心者がどのくらいいるか、どのような基礎練習を行っているかを確認すると、自分に合う部活動か判断しやすくなります。
まとめ|高校から始めるなら基本を優先して3年間を使おう
高校生からバドミントンを始める場合、中学や小学生から続けている経験者との差はありますが、それだけで「今からでは遅い」と諦める必要はありません。
実際に高校から始めた初心者が多く所属する部活動もあり、基本練習を積み重ねながら試合や大会を目指している選手もいます。
高校初心者が限られた期間で上達するためには、スマッシュなど目立つ技術だけを追うのではなく、グリップ、構え、打点、フットワーク、クリア、サーブといった使用頻度の高い基本を優先してください。
一つずつミスを減らし、練習でできた技術をゲームの中でも使えるようにしていくことが、経験者との差を縮めるための現実的な進み方です。
初心者から試合で勝てる段階まで、次に何を練習すればよいかを順番に確認したい場合は、上達ロードマップも参考にしてください。

